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雪の中で葬儀

雪景色

 

 

どんな時でも、行事があるときには、天候が気になるものです。

葬儀もそのひとつです。夏の暑い盛りの中の出棺は、喪服が汗でびしょびしょになるようなこともあるでしょうし、冬の極寒の中では寒さに耐えながらの出棺・・・できればその季節季節のなかでも過ごしやすい日、できれば雨、風のない日が望まれます。

しかし、人の死は時を選びません。台風だろうが豪雪だろうが関係なしにやってきます。時間も選びません。夜中、明け方、ラッシュアワー関係なしにやってきます。

 

本日とても感動することがあったので、ブログにしようと思いました。

 

今年の冬はほんとうに厳しく、私の住んでいる九州長崎市でも雪が積もります。1月中旬に雪が積もった時は、私の家の周りは30センチほど雪が積もり、雪深い地方の方には想像つかないかもしれませんが、そんな経験なかなかないので3日も自宅に缶詰になってしまいました。たまたまお仕事の依頼がなかったのでよかったですが、車のチェーンも持っていないので「雪への備え」もしなければいけないと反省したところでした。2月4日立春だというのにまたまた「雪しかも厳しい冷え込み」がやってきました。

 

5日になったばかりの深夜0時半くらいに、お仕事のご依頼がありました。まだ雪は小降りでしたが気温はマイナスになっていました。恥ずかしいですが毛糸のパンツをはき、分厚いタイツをはき、いやいやそれでもかなり寒かったですが仕事用のスーツを着て出かけました。ご依頼のご家族は大変に雪を心配されていました。心の中では私も心配でしたが不安な顔は見せられません。実は前日に「タイヤチェーン」を買いにいったのですが案の定「売り切れ、いつ入荷するかわからない」のでした。

 

ご家族には「融雪剤をまいてもらうので大丈夫ですよ。ご安心くださいね。」とは言ったものの、山の上にひっそりとたたずむよい環境のはずの弊社は、周りを山に囲まれる細い坂道を行き来しなければ国道まで出られず、前回の雪の時はアイスバーンで斎場に行くことができなかったほどです。

 

雪は容赦なく降ります。いいか悪いか風が強かったのであまり積もらないのですが、雪の注意報は出たままですし気温は山の上ですから少しの降雪でも道路の状態は最悪です。

朝になりとりあえず通行可能か?自家用車で山道を下り地域の行政センターに相談に行きました。

道路を管理している係の方に事情を説明し、融雪剤をまいてもらわないと山の上の斎場でお客様が缶詰状態になってしまうこと、ましてや出棺ができない、天候の回復は2、3日後になり大変困った状況になることを切々とお願いしました。

係の方は親切に話を聞いてくださいましたが「個人の依頼を受けることはできない」「融雪剤は数に限りがあり、バスなどが通る道が優先である」と、本当にもちろん納得できる回答でした。

仕方ないのでここは神頼みと思い!!!いつも個人的に崇拝している観音様に真剣に祈りました。笑

でも実は「自治会から要請があった」ということにして、すぐ目と鼻の先にある大家さん(土建業)のところに少しですが「融雪剤を分けておきます」と道路管理の係の方が手配してくださったのです。本当にこれは心強かったです。

 

出棺の朝、道は凍ってはいませんが、待ちかねたようにどんどん雪が激しくなっていました。

葬儀の間中「ゆきゆきゆき」頭の中は「雪道で霊柩車がスリップしないだろうか?」「このまま降り積もると、立ち往生か?私のつたない運転で、谷底に転落などしなければいいが・・・」そんなことばかり気になっていました。

 

お別れの時間が近づき棺の中に「思い出の品物」や「お別れ花」を入れているころ・・・・・

なんと陽が差してきたのです。

出棺になり、霊柩車に乗り込みご遺族は迎えのマイクロバスに乗り込みました。横に座っている喪主の女性は「御手洗さん、雪は道は大丈夫ですか?」と本当に心配そうでした。融雪剤をまく時間的余裕もなかったのですが、葬列は出発しました。

 

するとどうでしょうか・・・・・

 

まるでうそのように路面には雪が一切ないのです。雨で濡れたのかな???程度だったのです。ただハンドルを握っている私は兎に角「凍っていないか?積もっていないか?」それだけしか目にはいりませんでした。

 

助手席の喪主様が・・・・「わあ!なんてきれいな雪景色。お父さん見て!お父さんを送り出すためにこんなきれいな雪景色ができているよ。」と遺影写真を高々と掲げて写っている亡くなったご主人にこの素晴らしい雪景色を見せるように語り始めました。

路面には全く雪はないのに、山林の両側は本当に水墨画のように木々に雪が積もりとても美しい景色になっていたのです。

 

喪主の奥様と、一緒に霊柩車にお乗りいただいた長女様と私の三人は、その雪景色を見て、さっきまでの雪が降ることへの恨みつらみは忘れ、三人三様に涙を流し車を走らせました。感謝の気持ちと安堵の気持ちと美しい景色と・・・とにかく涙があふれました。

 

無事に葬儀は終わりました。

 

後で聞きましたが、いつも協力してくれているお花屋さんが、何度もその山道を通り轍を作ってくれていました。

明日もあさっても天気予報は雪で、出棺を先延ばしすることも考えたのですが・・・・

融雪剤を分けてくださった、担当の方といい、いろんな方々の協力を得て私の仕事は成り立っているなあと感謝の気持ちでいっぱいでした。また、この時マイクロバスのハンドルを握ってくれたのは、友人でもある倫理法人会の重鎮「伊藤弘和さん」でした。もしものことがあってはいけないと、かなり早い時間から寒い中マイクロバスの中で待機してくださいました。ありがとうございました。

本当に本当にすべてのことに感謝した一日でした。

そして、そのあと「スタッドレスタイヤ」を注文しました。これもまたいつも優しく協力してくださるガソリンスタンドの社長さん「岩崎裕一郎さん」備えあれば憂いなし。

 

心配したことがまるでうそのような美しい雪景色と、みんなの協力、感謝せずにはいられない、これもまた心に残る葬儀でした。

こんな葬儀をお手伝いさせていただけて、幸せです。

 

 

合掌

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