代表ブログ
JL123便墜落事故から35年の節目にあたり考えたこと
家族葬つばき会館長崎南斎場代表のブログをご覧いただきありがとうございます。
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8月12日は毎年大変に重苦しい気持ちになる日です。どうしてもTVやネット上でもこの話題が出ます。
35年目を迎え、ちょっと考えたことがあります。
今年を最後に、このことについて「語り部」をするのは辞めよう。
「日航機墜落事故」に関して発信をするとき、「JA8119」(事故機の機体番号)「日航機御巣鷹山墜落事故」という表現を使用していましたが、今年は敢えて欠番廃番となっている「JL123便」の表現を使いました。これには、理由があります。
8月の初旬だったと思いますが、管制塔のレーダーに欠番の筈の「JL123」便が表示され、管制塔が大騒ぎになったというネットニュースを見かけました。それはたまたま整備上の理由で架空の便名を付ける必要がありJALの整備の方が「0123便」と続き数字でなんとなく付けただけだったらしいのです。
すごく時の流れを感じました。
悲しくなりました。
悪気はなかったとはいえ、あの事故に対面した職員ではありえないことではなかろうかと・・・
責めているのではなく、世の中は変わっていくのだなあと思ったのです。
「なぜ航空業界から葬儀業界へ?」という質問をよく受けます。
それに続けて多く耳に入るのが「あの事故は、米軍の・・・」とか「自衛隊の・・・」とかの自分なりの推理、原因究明を私に語る人々。はっきり言ってうんざりするのでやめてほしいです。原因がどうであれ、あの時失われた520人の命と、その家族の平安は戻ってこないのです。ボイスレコーダーの録音を聞く機会がありました。最後の最期まで諦めずに操縦桿を握っていた人たちの気持ちは、計り知れないのです。この事故に限らず原因究明は大切です。風化させないことも大切です。しかし亡くなった方の命は戻らない。
それより、戦いのない世界、争いのない世界。利権や欲で動く人たちのいない世界。それが欲しいです。
この事故での経験は1つのきっかけで、それだけが理由ではありません。「亡くなられた520人と同じだけの弔いのお手伝いをしなければ、この仕事は辞めない。」と思い始めたのですが、もっともっとお手伝いをして行きたい気持ちですし自分の天職だと思ってさせていただいています。
そもそも「なぜ葬儀屋さんにお願いをするのか?」
葬儀社はサービス業です。
便利な世の中になり、自分で揃えられないものはないと思います。
「棺」「骨壺」・・・・ネットで買えます。(金額確認しないで欲しいけど・・・・笑)
墜落事故の時に耳に残りきっと死ぬまで忘れない家族の嗚咽、怒声、泣き叫ぶ声、周りをはばからずに流す涙。
事故であっても病気であっても、人数が多くても少なくても、人が亡くなるということに変わりはないのです。
そんなとき傍にいて、代わりに葬儀を滞りなく進めていく、それが私の仕事です。
その代償としてサービス料を頂戴しています。そしてその大切なお金で生活させていただいています。
感謝でしかありません。
私は、JL123便の犠牲者の遺族ではありません。
その時にたまたま、お世話をさせていただいき何もできなかった自分が悲しすぎて
その時亡くなられた方とは違うけれど、その時できなかったことを同じ気持ちでやっていこう。
そう思ってずっと続けてきました。これからもその気持ちはかわりません。
ただ、私の中でひとつの区切りとして
JL123便の犠牲者の方を弔う気持ちを超えて、私のところにいらっしゃるご家族悲しみの中にいらっしゃる方々のお手伝いをしていこう。
もうそれについての弔いは一区切り。
令和2年8月12日。決意表明です。